英語のシソーラスを買った.大学で図書館学を専攻した人たちにはなじみのある,専門的な種類の本だ.ふつう「あそうだシソーラス買おう」という人は少なかろう.大体ウェブで単語を調べ,自動翻訳のフォームに英文や和文を投げて出現した文を丁位と直して終わりである.しかし,検索機関や英文ライティングにこそシソーラスなのだ.
英語を隗として,しばらく気が済むまで外国語に耽りたいと思う.日本語には未練がなく,ある程度どのような文でも書けるようになったので,このままでは語学に飽きてしまいかねない.あんなに楽しい語学をもう一度もっと広く渡ってみたい.それも,プログラミング言語でなく,実際に日常的に使われている言語を.検索機関でも探して読んでみたい.
手元には7か国語の辞書がある.その他にも料理の事典,数学事典,聖書注解が並んでいる.読む時間を作ると疲れを癒せる.読み切る快感を味わうのではなく,じっくり読みこなす時間を味わいたい.本から性急に学ぶのではなく,ゆっくりと理解していく過程を大切にしたい.あまりに簡単に情報が手に入る時代だから,反する価値を見たい.
文を書く種を見つけるために読むばかりではない.読むことそのものに楽しみがあるから,覚えようともしないし,興味を引っ掛けて追っかけていく楽しさや,必ずしも実のある読み方になろうと固執せずに,役に立つ知識を貪欲に得ようともせずに,それでも残る娯楽性こそが読書にまつわる真の楽しみであると思う.本を開く贅沢を日常に少し,取り入れていく.
