この国には思想の自由があるので,どのような考えをどのように考えてもよい.せっかくなら自分が良いとする考えを持ちたいと思う.年齢にかかわらない真理も大切だが,年代によって生活に有用な考えも世の中には存在している.自分はさまざまな本を読んできたつもりでいるが,知らなかった事実によって反転した情報や,強められた知識が見つかったことは,少し長く生きないと分からない経験だと思う.
特にこの現代に生きていて有用だと思う考えは,やはりこの現代を作ってきた偉人の考えである.社会が偉人の考えによって作られたのだから,社会生活の取説は偉人の数言に当然集約される.このアメリカ型の文明においては,アメリカの祖ベンジャミン・フランクリンの数言を知っているかどうかで生活は違っていくと思う.
「時は金なり」「知識は最大の利潤を生む投資先である」「やることを決め,決めたことをやる」.こうした考えに馴染むと,この社会で生きやすくなる.社会にとって望ましい考えだからだ.生きづらさを感じている人には,この社会を作った人物たちが,どうやってこの社会を作ったかについて知ることを勧めたい.
フランクリンの生活は13か条の規則にまとめられている.現代にも多い富豪の暮らし方と似ている.なんだかんだで数百年続いているこの社会である.その数百年で見つかった知識を教わる学校も,分業で利潤を生み出す会社も,国民を守る政府や役所も,この社会の発明である.歴史を知らなければ現在しか見えないので,先端技術を追うばかりでなく,この社会のつくりをもっと知りたくなった.それによって現代らしい多幸感が減ることも,ないのだろうし.
