知識への投資は最大の利潤を生む.この社会で生きやすくなるにはこの社会を作っている思想を理解することが捷径だ,ということで,手元に文明史の本を引っ張り出してきた.「近代科学の源流」「工学の歴史」「インフォメーション – 情報技術の人類史」「繁栄 – 明日を切り拓くための人類10万年史」.この立派な本たちをよくぞ買ったものである.
2019年は読書したい.読書で考えるならお金はかからない.本代,ペン代,紙代が廉価な時代で本当に幸運であるうえに,PCを持っていれば活字代もただである.出版費もサーバー費とドメイン費である.思考に重きを置く時代らしい環境である.
本を読むうえで大切にしたいことは「覚えずつなげる」という読み方だ.本の始めから,あるいは途中と途中とをつないでいく.加法定理を暗記せずに導出する方が有意であるように.いろいろな人たちがいろいろな本を読んで作ってきた文明なので,どうやってもつながるはずである.特に歴史の軸を通せば,必ず文明史ができる.
単純記憶の能力が落ちてくる年齢になってきた.でも今までの単語的知識のおかげで,これからの読書と思考の暮らしがたいへん楽しいものになる気がしている.どうつながっているのか分からないことばかりだからである.来年もまた重要な年になる.今収入が低くても,貯蓄がなかなかできなくても,投資で失敗していても,読書と思考の趣味が世間の価値から距離を置かせてくれるだろう.
