この部録の読者は殆どいないので,少し得意になっても笑われまい.自分は今,デザインのスキルがある人材として働くようになっている.職場に自分よりデザインができる人が複数いることは知っているけれど,ウェブデザイン技能士を持っていると履歴書に書いたからか,デザインの仕事が回ってくるようになった.
これは格別にうれしいことである.何回も書いてきたが,幼稚園の卒園文集における将来の夢はグラフィックデザイナーになることだったし,それを思い出して一念発起し進学校を中退し美術予備校の門をくぐった高校時代や,数理モデルや有機物質や文章構成など多分野の設計技術を磨いた学生だったことを思い出す.
Jerry Saltzさんという美術学者が「なんであれ他人と違うやり方でしていることがその人のスキルである」とスキルを定義している.うまいもへたもスキルの内.と読めるが,集団内で異なっている状況に置かれて初めて個人のスキルとして認められることがわかる.
大企業へ入社して高給を貰っても,使い捨てられては楽しくないと自分は思う.すごいスキルを持った人たちの中で埋もれる人生は面白くない.高偏差値の学生環境にいたときより現在の方が圧倒的に幸福である.自分の生き方は多くの他人と違っている.これもスキルの内といえそうである.スキルをもって生きることの幸せを思う.
