職場には優れた人物ばかりいるので,自分の弱点が見えるようになった.先日上司がちょうど自分の弱点を表現するひとことを発してくださった.「不安定な聞き取り.」自分では思いもつかない適切な表現だったので,溜飲が下がった.まさにこれ!という感じだった.普段から困っていることがことばになると,対象にして考えたり克服しようとしたり気を付けるようになれるから不思議なものだ.
頭の回転が速いからなのか,タスクの流れを速めるのが善だからなのか,単にジョブが多くあるからなのか,早口で話す文化があって,すぐ理解する人には時間が短縮できて素晴らしい対応となるが,自分は2割理解できればいいほうで,あとは目に見えるもので確認しながら聞いている.やはり自分は頭が鈍い.これからも追いついていけるだろうか.
不安定な聞き取りとは,話の一部を理解し,途中を聞き漏らし,にもかかわらず分からないといえないまま,しかも肯いてしまうという悪い癖だ.何が理解できなかったかすぐにいえるほど若い脳ではない.健康な脳でもない.けれども,なんとなく聞いているのではないし,ときどき早口でも理解できる事柄はあるので,そのときは小さな自信を受け取れる.
自分は話を理解する力は高い方であると,いろいろな検査では出る.だから,人の聞き漏らすことも聞いていることがある.しかし,それをすり合わせることなぞしないし,誰が何を理解しているかなんて誰も分からない.試験して合格させても忘れる.だから,自分が不安定な聞き取りをしていても誰も注意しない.せめて甚だしく差が付かないよう気を付けたいところ.
