いろいろな年長者からお話を伺ったり読んだりして思い至ったのは,今は若者が最も生きやすい時代なのではということだ.驚くほど多くの先人たちが考え作ってきた仕組みが,今も適応しながら動いている.昔は社会問題として取り上げられるほどではなかった課題が,制度やシステムをもって解決し,インフラとなり,社会を住みやすくしている.
多分,10年前の30代は今の30代と比べようもないほど厳しい生活をしていた.20年前の30代はもっと厳しかった.過去を遡るほど厳しく,不幸が蔓延しやすい社会に生きざるを得なかった.それが今では不幸が撲滅したというくらい住みやすくなっている.生活に厳しさをもつ人々もいるが,当事者の問題が解決する方法はいくつもあるはずだ.
教会に若者が来なくなっているという問題がある.教会といえば神さまについて学ぶところ,神さまの愛を知ることで本当に幸せな人生に変えられる場所,そういった認識を持たれているかもしれない.なのに人が来なくなっているのはどういうわけか.生きやすくなっている社会,メディアの薦めるライフスタイル,生活上の課題の自己解決.個人が幸福になりつつある.
信仰の選択は個人の自由である.多くの人が神さまを礼拝するようになる未来をクリスチャンは想像しがちかと思うが,その未来は多分当分来ない.少子高齢化の中でも,需要と産業と雇用は無事に流動するので心配ない.経済規模が縮小したら物価と貿易を増やせば,統計上の帳尻は保てる.モノやお金の流れを見切れないために浮上する社会問題は,いくつかの政策や技術によって自然と流れていく.問題をなくす視点を持った自分は同世代でも幸福な人間かもしれない.
