今朝は「主よ,人の望みの喜びよ」を諳奏して通勤した.学生時代から芸術が生活の傍にあった.定期試験前になれば東京の美術館に入り浸り,耽美的な夜を通した.社会人になっても,ウェブでクリエイティブなサイトをしばしば見た.休日は書店で新刊などを読んできて,帰路に歩いて思索した.その生活は結婚して今の街に移り住んでからは疎遠になった.美術館からは足が遠のき,古典音楽を聴く習慣もなくなった.美しい暮らしはしかしながら,真に美しいものに変わっていった.
自分の内部にある泉のような秘密の容積は,音楽の感動によって満たされ,震わされ,湛えられていた.その場所から,数学も科学も哲学も派生し,もし自分がこの先独りで歩んでいくとも,最高の生涯にしていける,そう確信した節がある.時給の職に就き,休日は図書館と思索とお菓子によって,世間から無縁に暮らせると.実際それでもよかった.しかし,妻との出会いは自分を正道に引き連れ,常軌を教え,真に望みを叶えた.神を知るようになったのだ.
古典音楽や近代哲学や現代科学の諸問題は,教会に教えられた.聖書を踏まえないと分からない意味がある.どうしてバッハはこの晴れやかな聖堂を表現したか,それを思うだけで敬虔と畏敬と感謝がこみ上げる.どんなにバッハは気持ちよく自作の賛美を会堂で演奏していたか.羨ましくなる.自分も大学生の時から作曲の趣味があるので,今までに4曲作ってきたが,これから賛美をたくさん作ろうと思い始めた.長く続くような気がする.神への賛美は絶えることがないので.
もし賛美を曲にできたら,何らかの場で公開しようと思う.楽譜を記録し演奏してくれる無償のソフトウェアを知っている.それを使って神への賛美を様々な面から表していきたい.時代と歴史,死からの勝利,万事を益にする神の業.賛美するに事欠かない.あぁ私は作曲を始め,人生の時間を圧縮して楽しむ手段を神は与えたもうた.それさえも感謝に値する.きょうのこの日記文も,作曲の糧になる.早速,風呂で旋律を紡彫し,きょう1曲を作成する.賛美集を書き溜めるのだ.
