世の中を変えようと思うなら,いくつか手段がある.情報で攻めるなら,本を書く.経済を盛り立てるなら,起業する.社会を変えるなら,政治家を目指す.しかし,この私たちの社会は資本主義であるから,モノが強い.モノで革命を起こすことなどできる,できるのである.それも,とても劇的に変えられる.まだ可能性は海の底のようなもので,誰も深くまで見切ってはいない.
モノで世界を変えるとはどういうことか.とても分かりやすい.ほしいものが見つからないとき,それと同じモノをほしい人が千倍は,いる.新しい商品は,コンセプト,製造業者,工場費用,小売価格,購買実績などによって,生産が伸び,消費も伸び,普及する.普及しきったモノも,モデルチェンジや機能付加で価値を添えて,買い直しを図る.そして,家電メーカーが頼るのが,部品と素材メーカーである.
部品の省エネコスト,軽さと丈夫さ,耐久性,ロットが多ければ安価に仕上がる.素材は特に重要で,新素材は新たに市場を開くというくらい,経済を変えていく.経済学者が技術革新と云うとき,十中八九新素材が関わっている.素材は問題を解決し,可能性を開拓する,同時代にとって最も重要な革命の種だ.ドラスティックに世界を変えた発明には,現にノーベル賞が与えられている.
年々値段が下がるメモリやストレージ,性能が倍加するCPUやグラボ.さまざまな革命が起こっている現代の背景に,材料革命の概念があるかどうかで,投資の実績も変わるだろう.このさまざまな業界で発明が連鎖してなされる現代の私たちは,何にお金を使い,何を捨て,何を売って何を買うか,そうした観点の拡張を継続して必要とする.こうした情報を提供するウェブを作ってみたいと思った次第.

コメントを残す