本日も午前で早退し,帰路に食料を買うため,昨日も寄った店舗に入る.目欲しい商品を求めに棚を探すと,あったのだ,昨日と同じ袋麺が.4食入の生麺.賞味期限が今日なので3割引で買えた.実は昨日も3割引のシールを貼られ陳列されており,昨日から誰も買っていない商品だと分かる.
店員さんは誰が買うのかと思いながら昨日と同じ商品を処分せず配列したのだろう.どんな人が買っていくのか.処分間近の商品ほど,記憶に残っているのかもしれない.商品を売る側の立場で考えると,商品が売れて売上が,だけでなく,商品をどんな人が買ってどのように調理され食べられていくか,売れた後先のことを店員さんは思わず想像してしまうのではと思ったのだ.
この世になぜ文学があるか.人が心を持つからだろう.社会人はお金儲けしお客さんを作ることで働いて生活している.経済はそうやって回る.けれども,収入が上がらないとか,職場の環境がとか,労働時間がという制約から自由になりたい欲求も持ち合わせている.仕事が単に数値の金額の或いは物品の現物に目的が当たりすぎて,人の心を考える視点が持ちにくいから.
期限間近の袋麺を3割引で購入したこの男は,売れた袋麺からある文学を思い出した.そして思うのだ,文学を思い出すゆとりを普段から持てれば,仕事の時間が線条的な思考から解放され,ストレスも減り,長続きしやすくなるのではと.文学は日常の至る所に潜んでいる.この男は袋麺を余裕をもって明日食べると決めたようだ.

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