今の職場は,ホワイトだ.毎日定時で上がれる.残業をほとんどしたことがなく,上層部は押し並べて優れた知性の持ち主であると保証されているような職場である.それでいて世間の平均的給与が保障され,私は毎日大変気楽な人生に変化した.休日には実に好きなことばかりし,買いたいものを買い,食べたいものを食べる暮らし.資産も特段減らない.
しかしだ,広報の仕事は自分には合わない.できないからだ.私くらいの能力で一人前の広報ができるには,数年間の研鑽が必要で,そうしてもできるようになる保証はない.無駄な時間だとは思わない.学生の時,学生会議の広報を担当した経験もあるし,研究室配属後もどこよりも早くウェブサイトを立ち上げた.昔から好きな業務ではある.
合わないと思っていてもある程度はできているのは,学生時代の少なからぬ経験と関心のお陰かもしれぬ.そして幼少期のデザインへの関心や,高校生の時にウェブに出合って美術学校の門を叩いたその覚悟が,今の職に自分を引き留めているように思う.だから答えは簡単だ.能力が足りないが,やっていこう.それに尽きる.実は自分は向いているのだ.
自分はアイデアも能力もそこそこしかない.でもできる人がたくさんいるわけでもないこの職場である.貴重な働き手と認知されつつあり,職場に貢献したい気持ちも徐々に生じている.繰り返そう,ウェブではない領域で,優れたアイデアを生める自信は,からきしない.でもこの職場で仕事が続けられている現状は,やはり多くの上司のお陰.感謝して明日も出勤する.

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