Unknowable

　連休は自宅で過ごす．緊急事態宣言によって知事からお知らせが来たからだ．各自のスマホに地震速報で使われる警告音と共に，本日午前10時にメッセージが配られた．きょうの空は快晴で気温も高く，布団を干せたしエアコンを妻と折半して注文した．外で光を浴びられないので，ボランティアやLINEのほか，椅子で眠ったりして過ごした．夕食もUber Eatsのように宅配してくれるお店に届けてもらった．
　私は自分を賢い人物だとは思えない．あまりものを知らないというわけではなく，専門分野を除いては年相応に理解していることは多いかもしれない．けれども，最近まで私は世界を知りすぎていると考えることが多かった．無知の知を知らなかったのだ．今思えば，浅い知識であるどころか，何も知らなかったに等しいし，考える力は劣っているほうだと思う．自分の頭が働かない出来事が多くあるのだ．
　自分の頭で考えて行動する．このことを当たり前のものとしてやってきた．それ以外の考えでやっている人たちがいることを知らなかった．行動するにはアイデアがいるし，考えるのだから人の考えを忠実にただ行う人なんてほとんどいないんじゃないか．自分で考えて行動するから面白いのであり，自分で考えずにいる人がいたらそれは珍しい人物なのではないか．でも，この考えは浅かったと思っている．
　考えたこともない出来事は多い．学問を広く浅く修めても，である．そんな出来事を自分の頭で全部考えては日が暮れる．だから情報を集め知識と照合して行動するのだが，分厚い本や深長な警句をどう読むかに始まり，読書を思うように進めることは，人生で決して満足することがない趣味のひとつだと思う．知識や思考はだからこそ貴重で求められお金が払われるわけだ．探究の困難に気づき始めている．