まずいなと思い始めている.スキャナが遂に届いた.CZURという中国企業の製品.早速50ページほどスキャンした.高解像度300dpiのJPGにしてから,OCRを内蔵できる検索可能PDF形式で保存した.性能は抜群.買ってよかったと思っている.これで紙をスキャンしてPDFに収めることが毎日の楽しみになる.しかし,ちょっと待った.毎日の楽しみになることが増えすぎていないか.1日とて時間は有限だ.
スキャンは確実に楽しめる趣味になる.スキャンする対象と目的が明確だから.科学雑誌,学会誌,英語の開発本,そうしたあまり開かないが場所をとる書物を,続々スキャンして処分し,本棚に空きを作る.何と完璧な計画だろう.部屋から物が減り,データが増えていく.文字の量は保存しつつ,紙を減らす.図書館学の発想である.なんという趣味だろう.データを管理することは,文献を管理する図書館員の愉悦そのものである.
しかし.三和音を習い,4声の作曲を始めてしまった.こちらも深い喜びを味わっている.そして,畏友から借りたガンダム.疲労がすごいが没入感もあり,はまる兆候がひしとある.仕事で使うであろうサーバー設定の知識を学習する宿題もある.退勤後の時間をすべてスキャンに使うべきではない.作曲,ガンダム,サーバー設定は,その先に誰かがいる.それはいずれも大切な人たちだ.
自分固有の趣味を進めることは,かなりの贅沢だと思わねばなるまい.ちゃんと職があり,きちんと働いて,しっかり衣食住を果たす日課を達成していれば,誰も文句は言われない.しかし,いくつもの趣味を抱えるには,余裕が先に来なくてはならない.ぎりぎりでこなしていると,多忙なサラリーマンと同じになる.趣味はいくつかだけにし,買うものも限っておけば,本当に楽しめる時間がその中に見つかるはずである.

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