Niche Media

　この部録は，ありそうでなかったニッチな話題を作っている．そういう向きで続けている．検索機関には登録していないので，この部録に読者がいるとすれば，私が直接URLを教えた方か，人伝でURLを知った方のみ．無料で会員制サロンを作っているようなもの．固定読者は3人確認しているが，誰かまでは見当がついておらず，専ら自分のために書いている向きがある．自分の読みたいことを書いている．
　検索しても見当たらない情報は，よく考えればたくさんあって，検索して満足することが珍しい人がほとんどなのではないか．だから自分が読みたいものを書く人はとても増えたし，読みたい情報だけ読むのが当たり前になった現代で，読みたいことを発信する方法論は，とても穏当だと思う．多様性を確保する手法になる．読む人は少なくても，少ない承認で満足するくらいが穏やかでいられる．
　こうして読みたいことを書くこの部録で起きたことは，自分の考えを述べる習慣と，考える軸つまり思考の空間を獲得できたことだ．世の中で見れば変な人間になったのだが，マスメディアで皆が同じ情報に触れていた時代のほうが危うかったはずで，新聞もテレビもラジオも雑誌も取っていないながら，ネットのトップニュースとTwitterトレンドくらいで暮らしているので，気持ちの良い暮らしに変わった．
　マスメディア特に新聞とテレビは，離れてみると報道内容の偏りがとてもはっきり見えるようになった．世の中をみる眼鏡は新聞とテレビを買わなくたって自分で見出せる．いや，自分で眼鏡を作ったほうがいいのだ．全体主義やポピュリズムを防ぐのはそうした自助的人間なのだ．新聞とテレビからさよならして暮らしていけるか不安だったほどよく読んでいたが，今ではもう新聞とテレビに戻ることは一切ない．