世界には無限に話が在る.人の数だけ経験が有るなら.書き留め残された名作を除いたって,つまらない話しなどあるものか.このICT社会と環境デザインの時代である.面白さやカッコよさは消費の基準として当たり前になり,イケていない,ダサい,つまらない物事は,消費するだけ時間の無駄とさえ捉える人だって少なくない.
そんなネガティブな物事を見とめず排斥する側に回ると,社会学的問題に結びつく.差別や偏見に係る問題である.マスメディアやスマホメディアで消費されるストーリーは,定番で画一的になっていて,美男美女が美しい服を着て美しい音楽とともに展開する.それは確かに心を楽しませる.けれど,そんな話ばかりじゃ楽しくない.
世界には多くの話し手が居る.人の数だけ口があるなら,歴史に名を留める業績でなくても,退屈な話などあるものか.この印刷と複製の記号的時代である.難しく役に立ち為になる話しが消費に適うものとして歓迎され,狭く,眠たく,読みにくい文章は,消費するだけ時間の無駄と敬遠する人だって少なくない.
そんな文章に触れずに手軽なコンテンツで過ごす側に回ると,学問的問題に結び付く.学歴や教養に係る問題である.本や部録で販売される論理は,新鮮で平明になっていて,難しいことばで頁を埋め尽くし分厚くした装丁で読む人を圧倒する.それは確かに頭を興奮させる.しかし,そんな論考だけじゃ決まりすぎる.
しかしこの差は何だろう.

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