Color Nature

 色について学んでいると,色彩の心理という分野が必ずある.私はなぜその色がそのような心理を惹起するか,神経科学的に考えたことがある.光を受けた中心体から電磁気的エネルギーが軸索に流れ,シナプスが連結するまで伸長する.仕組みはこうだけど,どうして色ごとに引き起こる感覚が異なるのか.可視光が見える眼球を得たのは,自然を生き抜くために重要な波長だからだろう.色ごとに心理が異なる理由を考察してみた.
赤:警告
 自然に赤といえば,夕方の太陽,火山の噴火という,一年でも一度あるかないかの貴重な色だ.夕方は昼が終わることを表し,噴火は非難する必要を警告する.危険が到来する前に動き出すための色だ.
オレンジ:温暖
 オレンジが見られる季節は夏から秋にかけてだ.灼熱の太陽,果実,紅葉.夏から秋は熱が豊富で,暖かい季節だから,オレンジを見ると暖かさを感じるのだ.
黄:未来
 黄色といえば光,その中でもよく届く光である.視界を見上げたり,遠くを見るとき,光は黄色く見える.黄色を認知する場面には,遠くを見ているので,先を見ることになるのだ.
緑:平和
 緑は植物の若い葉の色.森が近い環境ではほとんど毎日見られる.緑を見ると落ち着くのは,いつも見ているからだろう.落ち着くので平和な感情になるのだ.
青:冷静
 青は興奮を静める.人は自分の思うように事が運ぶと興奮するものだが,空も海も人間が制御できるものではない.しかし,そんな大自然の中で守られていると思うと,不安も減退するものだ.
紫:神秘
 紫が見られるのは,夕方の雲や,朝日の雲.光に照らされた雲である.滅多にみられないこともあり,見られた時の感動は静かだ.
ピンク:恋愛
 ピンクは身体の色だ.肌の奥の色,私的な色でもある.口を開ければそこはピンクだが,親しい人にしか見せない.ピンクは親愛の証しだ.
白:純粋
 白は雲や雪や波の色.天気次第でしばしば見られる色だ.白は光によって何色にも輝けるが,永続しない色でもある.変わりやすい色だ.
グレー:孤独
 グレーは曇りがちの日の色.雨が降らんとする空,日が陰ったときの地上の色だ.光が当たっていない時,遮られたと感じる.天とのつながりが一時的にだが絶たれたのだ.
黒:静寂
 黒は夜空と宇宙の色.音が聞こえるのは地上の特権,寝静まった夜は静かだし,宇宙に音楽は流れていない.炭は火の終わり.髪はシックなかっこよさ.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です