道具をうまく使いこなせば,楽になり生産性が上がる.道具にできることは道具に任せ,自分は道具にはできないことを作る.道具自身が道具を発明し開発できるようになるのは近くない未来の世界.道具を作る技能を持てば,道具に使われてばかりの働き方から脱却できる.
道具を作るにも道具を使う.ほとんどの場合,道具を使って道具を作る.今ある道具を素材として或いは手段として,道具を作るという目的のために道具を使う.道具を作る仕事とはこういう日々である.道具はまた別の日に或いは別の人によって使われ改善され,次の誰かに使われる.
では,道具に使われるとは何なのか.道具を使ってばかりで,仕組みも分からず,学ぶこともせず,新しい道具が出れば買い揃え,その道具を再び使うばかり.使い倒すほど使い込むこともなく,道具の用途も限られて,遂には物置の隅に追いやられる.誰も使わない道具が生まれる.
道具の便利さによって衰える能力を嘆くよりは,便利な道具を使う能力を身に付け,さらに別の道具の習得に時間を使う.そうやって能力は開発される.たくさんの道具を使いこなす能力は,たくさんの物事を解決できる能力に含まれる.道具を巧く使い,道具を友として,さらなる益を上げていきたい.

コメントを残す