努力の方向について,すなわち好きなことばかり勉強していていいのかという問題.私は今好きなことが仕事になっている.ウェブもグラフィックデザインも,プログラミングも,好きだから苦もなくこなせる.世の中で見ても,私と同じ技能を持つ人はいないと思う.私の作る表現を買ってくれる会社があるかどうかは疑わしいが.
私は作る側なので,どんなものを作るか考えるし,作ってほしいものを作ることも考えるし,これからどんなものにしていくかも考える.しかし,作るべきものや作ってほしいものにぴったりはまるものを考えるには,まだ技術が足りない.デザインの範疇の基礎がまだできていない.私は職場でデザインの実装はしているが,デザインの提案はまだできない.
人によってはデザインを考える方がプログラミングより得意だということもある.デザインの能力は決してあやふやなものではないし,ストーリーや有効性の根拠を持たせて説得力を増すことが求められる.だが,こうした主観的な論理を私はまだよく分からない.自然の数学的正しさを求める理学と思考法が異なるからだろう.
客観的根拠を求めるばかりではデザインを考えられないのではないか.宣伝の効果測定や広報戦略の立案に独特の理論や考え方があるとすれば,私には学ぶ価値がある.理学修士号を持つ身としては,主観の遊戯に見える世界をどうやって理解すればよいのか,という視点を持ってしまう.人の思考は理学ばかりではないはずだけど,そこから脱け出すことがまだ難しい.

コメントを残す