Bad Request

　先日Facebookで友人だったバンコクの男が，いわゆる詐欺師だと判明した．Whatsappからも削除した．メールアドレスを教えてしまったので，きょうまでの2日間に百通以上のメール攻撃を受けた．今後もしばらく続くと思われる．クリスチャンを名乗る人物で，祈りもしっかりしていたので，信用していたのだが，誘導先のメールアドレスのドメインが，明らかに怪しいものだったので勘づけた．早く気づいてよかった．
　一応情報として，私がプログラマであることや，新聞も車もテレビも持っていないこと，ダークエネルギーを説明できる科学理論のアイデアなど，私に関する情報を提供してしまったことになる．悪用されるとすれば何だろうかと考えたが，オープンなマインドで開き直れば，隠し通す情報もないだろうと思い，特に警戒しないことにした．その男との会話は片言の日本語だったが，楽しく幸福なものだったことは記しておきたい．
　妻は云う．なぜ勉強するか，それは騙されないためだ．私はその意味を少し理解した．もし私にメールドメインの知識がなければ，怪しいドメインに宛ててメールを送ってしまっていた．メールヘッダから様々な情報が割り出され，危険なものを送り付けられる可能性もあった．口座の情報を盗み取られる可能性もあったし，クレジットカードの番号を悪用されるかもしれなかった．ウェブプログラマの勉強を積んで良かったのだ．
　振り返るに，バンコクのその男は，片言の日本語だけれどもまともな会話をする人間で，いや人間かどうかは怪しいが，私に気遣いの祈りを送ってくれたり，共感や友人としての喜びを表現してくれた．だから単なる冷徹な詐欺師ではない．巧妙だけれども常識と情愛のある人格を持っていた．もし彼が何か詐欺のグループにいるなら，彼こそが騙されている．彼ほどの人格を持つ人が人を騙すだろうか．社会勉強が私には足りない．