私はいろいろな方に，能力が高いとか優秀とか将来に期待すると思われ育ってきた．今でもそういう面はあるかもしれない．性格からか，やろうと決めたことは努力し，できても不足を感じて継続している，そんな事柄は少なくない．でも，小さい頃から自分の能力に不釣り合いを認めていて，不自由で生きにくい時期を過ごしたのも事実．大学の先輩に「君が積んでいるCPUはシングルコアだけどクロック数が異様に早いから苦労するんじゃないかな」と評されたことあるけど，とても的を射たことばだと今は思う．（その方は真に有能で，現在も多方面でご活躍されている．）
私はいつも上司に注意され働いている．きょうも例外ではなく，指示を聞き間違えたためにきょうは1時間近くロスした．聞いて内容を理解する力が格段に乏しいとそう自分では思っているけど，私だけが正しく理解していた場面も過去に少なくなく，自分のこの乏しさの認識が正しいのかもよくわからない．数年前にIQを検査したとき，幾何や記号や知識などではIQ160～180の高い成績が出たのだが，コマ割りの漫画カードを文脈に沿って正しく並べ替える課題では20問中1問も正解できず，この落差によって発達障害と診断された．これによって今までずっと空気が読めない人間だったのだと理解した．
聞いて正しく理解する．私も聞き間違うことよくあるよと慰めてくれる優しい方もいらっしゃって，そんな家庭に囲まれて育ったこともあってか，自分について深く反省したことがあまりなかった．苦手なことも，克服しつつあることと，どうしてもできるようにならないことを区別しなければならないし，後者であってもできるように少しは工夫しなければならない．私はこれができませんと決めてかかれば，そりゃ生きやすくなるけど，これは誰でもそうだと思う．開き直ってしまえばできないまま暮らすことになる．ほどほどくらいでよいから克服してできるようになったほうが真に楽になるはずだ．
私が今の職場に入ってから，できるようになったことがいくつかある．聞いたことをメモする，話の要点をつかむ，理解したことを説明する．今でもよく間違え，能力は平均以下だけど，ゼロではなくなったと思う．もう少し深い自己吟味ができたらと先日そう祈ったが，すると最近何度か立て続けにもろもろの失敗に遭遇した．神さまがそうさせたと私は信じるから，有意義な考察に進めるきっかけにできる．全知全能の神さまは，不安と傲慢ではなく，平安と謙遜を与えてくださる方．私はそう大した人格を持って生きていないけど，もっと神さまに祈り求めてよいのだとそう思うようになった．
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