仕事の進め方について.私は待ち行列理論や神経科学を学んだ者として,ひとつずつ処理していくよりも少しずつ処理していった方が疲れないことを知っている.タスクの依頼が来たら,少し内容を確認し,少し作ってみて,少しボリュームを把握しておけば,スケジュールが決まっていても余裕が持てる.そして実際に余裕を持って仕事を完了し,かつ,疲労には結びつきにくい.ペースを把握するだけで随分と違う.
ペースを自分で把握するには,始めと終わりの量が見えていなければならない.始めと終わりが見えていれば,それを最大のスピードで終わらせるか,一定のペースで坦々とこなすか,作業量を一定に調節してこつこつと行うか,いろいろな戦略が立てられる.始めと終わりを結ぶ傾きはいろいろなのだ.そして,始めと終わりの量を把握するために,作業のボリュームを把握する必要がある.そのために,少し触ってみてから,見積もるのである.
きょう仕事の進め方でチーム内で議論が起きた.どうやらリーダーとしては,タスクをひとつずつ行ってほしいらしい.少しずつ進めてペースを把握することは,それほどおかしなことではないと思う.ボリュームを見積もるから自分の仕事全体の流れをペース配分できるのだし,任された仕事を着々とこなしていれば,チームの仕事も進む.しかし,スタッフが少しずつ進めることをやめてほしいというリーダーである.
少し悩んだが,次回の打合せで相談したいと思っている.リーダーは先にこなしてほしいタスクをはっきりさせたいようで,そのこなしてほしいタスクが遅れることを嫌うようである.リーダーには,ボリュームを見積もらないとペースがつかめないので,スケジュールが遅れることがあること,そして,ひとつずつこなすと必然に全体が遅れることを伝え,そのデメリットを私が耐え慣れるかどうかが問われるのだろう.

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