今の職場は,高校で言えば進学校.多分多くの職員は各地域の進学校出身で,それなりのレールに沿って進学し就職した人たちだろう.多くを思い悩むことはなかったのだろうし,思考を省略したり悩まないように生きてきた人たちが多い気もする.実は私は思えば進学校の空気が厭だった.それを思うと,今の職場が単に息苦しい場所に感じられ,転職先へ逃げたくもなる.
進学校特有の空気がある.丁度大学で言えば都内の国立大学のような,試験に突破した誇りを糧にするような若者たちの独特な切れ.私はそれが甚く嫌で,合格圏にあっても都内ではなく田舎の大学を選んだ大きな理由だ.もう思い出したくもないし,思い出せないと思ってきた.缶詰に閉じ込めて海に向かって投げ込んで一生沈んだままだと思ってきた.でも浮き上がってくることもあるんだと.
世間は狭く,昔の私のことを知っている人は少なくない,なんて考えていたら病んでしまうので,それは事実ではないと信じる.でも,直木賞作家の小説のテーマになってしまったり,8年ほど前に霞が関で名が知れ渡った時期があったり,ICTを通して世の中を動かしているような私が今の職場に入って一定の評判を得ている面もあるだろう.どうやら私はある面で利用されている.
進学校が厭で,都内の大学が厭で,それでよく今の職場にありつけたと思う.私は都内に転勤となればその前に辞職する腹でいるし,この労働人生をこの地で過ごし続けることを強く強く希望している.そうでなければ足の軽い私は転職先を見つけて移ってしまおうと考えている.来年の春まで持てば良いほうで,あと1年,この職場でなんとかやってみて,それ以降は移ろうと考えるほどだ.

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