状況は,変化する.良いほうにも変わるし,悪いほうにも.だけど,そう極端に悪いほうへ転がる気がするときは,少し辛抱して待ってみると,変化を起こすのは人間であるから,そう急速には悪化しない.大抵,多くの人は出来事を少し離れて冷静に見て,数日で妥協できるところを探り,新たになるからだ.だから,状況が変わるとき,まず数日の忍耐が必要だ.
人が急速な変化を好むとき,それは自分にとって好ましい変化である.悪いほうへ傾く変化を恐れるとき,人は脱出や逃走を夢想する.判断に二元の軸がある以上,人は過ちの波に揺蕩う.善悪を知る木の実を食べると死ぬように,人間はいつから二元的判断を軸に生きてきただろう.判断するのは自分ではない.裁くのは神だというのに.
私は人間の判断など信じていない.組織でやっていく程度の信頼は置く.職場の将来が決まるから.でも,どんな立場の人物であろうと,自分の判断を信用しきっている人間には警戒する.神の判断という概念を持っていないから.裁くのは神であり,指導者や上司ではない.自分の判断で状況が好転するとき,それが最も自戒するべきときだ.
自分のおかげであの人はうまくいった,という認識が甘いのはそういう理由だ.自分の功績ではなく神の恵みであるはずだ.人間の自信には警戒する.過度になっては罪が深くなる.状況が変わるとき,それは神が働かれるとき.神の御業を確と見るとき.そのとき,状況は好転へ導かれる.勝利への階梯を臨む.悩みのとき,神の下で整理するとき.
