この物も情報も入手しやすい時代,雑多にありふれた物事ばかりが生活ではない.溢れるほど入ってくるならその分出していくのが理論だが,貰った物事を手放すのは人情として惜しい.そこで,物事が予め入ってこないようにするという方法を考える.関心のあることを深掘りする一方,本当は必要ない物事には無知を決め込む.世界が狭まるかも知れないが,深くなる面もあり,人生の楽しみ方として好ましく思える.入ってこないようにする事柄をまとめてみた.
1.情報
情報が全てといっていい時代に情報を制限するには勇気がいる.情報は人を動かしお金も商品も動かす.しかし,メルマガを取ったり雑誌を購読しても,どうせ整理しきれないのなら断ってしまいたい.情報は関心があるものを自分で探すに留め,何もしなくても情報が入ってくる環境を避ける.情報の希少性が濃くなり,価値のある情報のみが残るはず.人は時間が有限だから多くを知っても行動に移せることは限られている.
2.栄養
簡単に栄養が取れる時代になった.飽食.食材は安価で栄養価も高く,義務教育で習った程度の栄養の知識があれば,手軽に健康な食生活を設計できる.と思っていたが,どうやらそうでもないらしい.健康には制限と我慢が必要なのだ.もう炭水化物を始めとした糖質をできるだけ取らないようにしている.1日1食にしサプリメントでバランスをとる.食事を楽しむのではなく健康を楽しむようにした.毎日決まったものを食べている.
3.趣味
お金がかかる趣味は多い.でも,そうでもない趣味もまた多い.趣味程度なら,音楽のうちでも合唱,作曲,ピアノは特にお金がかかりにくい.また,数学,部録,読書など,知的にほぼ無尽蔵に遊べる趣味は,知識と快楽と創造性をもたらすうえ,地球環境に物理的影響を及ぼさない.その他の趣味を全く知らないけど,全ての趣味を知る必要もない.お金のかからない趣味だけを追究し,豊かに過ごせるならそれは良いと思う.
4.予定
人生の時間が有限であることは誰もが知っている.けど,このことを本当に弁えているだろうか.週末は予定で埋め尽くし,平日も会議で埋まっていると,人生で最も大切なものと縁が切れる.最も大切なことに対峙しているとき,人生は最も意味のあるものになる.休暇を予定で埋めてしまうのも考えものだと思うのだ.もし最も大切なものを見出していないのなら,何もせずに数日間過ごし考えてみることをお勧めする.
5.音源
静かに暮らしたいという要求がある.おそらく神経の休息が取れるようになったのは最近になってからだ.毎日神経の休息を取れることが普通のことだと認識されるようになった.神経が休まることは現代生活にとって基本の要件になった.流れる音楽について一音ずつ認識するように聴くのが普通だが,ただ流しておくだけでも集中に効果がある人もいる.音源を制限し聴覚環境を設計することは,現代の生んだ自由のひとつである.
