きょうは特に何もせずに終わった.何もしなかったのではない.いくつか進歩した.スーパーに食材を買い出し,夕食に豚バラのスープを作って食べた.レオンカヴァッロの歌曲を覚えるまで練習し,独自にデザインした表紙に楽譜を製本した.ハノンとバイエルが届き,付録の紙鍵盤を壁に貼り,ヘ音記号の音階が読めるようになった.自炊代行業者に10年前のNature誌バックナンバーを頼むべくWEBで注文した.
こうして幾つかのことについて進捗があった.しかし,何もしなかったような気がしている.なぜだろう.何も大したことをしていないといつもそう思って暮らしている.外から見れば実にいろいろなことをやっているようにみえるし,しばしばそう言われる.でも自分ではそう思ったことがほとんどない.満足しないのだろう.いつも不満足な生き方はジョン・スチュアート・ミルが大いに肯定した生き方である.
書斎にあるものの数を調べるため表を作ってみた.本や服を除けば全部で60点に過ぎなかった.60点の品々で満足していたのだ,そして満足できないでいるのだ.ものを増やしても満足が高まるでもなく,減らすほど満足できる面もあるから,感情とはいい加減なものだと思うけど,そうなのだからそうなのだろう.感情を満たすことを良しとするのではなく,神さまに従って生きる方が良いに決まっている.
書斎には本当に本と服と音楽とデジタルアイテムしかなく他の趣味はない.PCで趣味のほとんどが完結するので,ものを持たずに済む面はある.これからもものの数は減っていく.趣味のジャンルを確立しているから満足は覚える.けれども,ジャンルのそれぞれについて深めたいという欲求が起こる.神さまの御心からそれほど外れていないと考えている.趣味の深め方にもっと欲求が出てきたら止まって考えてみるつもりである.
