趣味を快く進めるために仕事をきちんとこなしたいと考えていたら,趣味と仕事の境界がなくなって見えてきた.以前ウェブ制作を趣味としていたとき,ウェブ制作が仕事になってから境目がなくなったので,合唱や外国語など新たな趣味を開拓してきた.しかし,再び趣味と仕事がシームレスになった.何においてか.Unityである.ゲーム開発である.任天堂のマリオのようなRPGを作り出す趣味が,いよいよ仕事になるのである.
Unityはゲームエンジンで,フィールドを縦横無尽に移動するアバターが,走ったりジャンプしたりできる.つまりフィールドにプレハブを置いて建築を作れるのである.建築を作るソフトウェアとしてCADが使われてきたが,ゲームエンジンで建築のモデルを作ることが数年前から一般的になっているらしい.フィールドには重力や弾性を簡単につけられるので,実際に似た構造の建築模型を埋め込める.
私は建築を実世界に作ることはできない.そんな能力はない.しかし,バーチャルに建築を立てることはできる.実際Unityでアバターが運動できる環境をいくつか作ってきた.建築科の予備校生だった時に習った立体構成の要領が,今になって役立っている.趣味のひとつだったものが仕事になるので,本当に予備校の先生方には感謝している.地面に一から建築を作るのが大変楽しく感じられる.今でも鮮明に.
美術予備校時代のあの感覚が伸びる時期の感性が少しでも戻ってきたら,今の仕事をしている自分と繋がったら,自分の歴史を良く理解できるはず.自分の生き様は不連続な連続で,一貫していないと自分では思う.社会人になっても就職も難しく,障がい認定もされ,結婚と受洗という幸福な出来事も起きた.ふつう一貫性のある生き方をしているという措定も怪しいけど,自分の歴史が持てることは幸福な人生の条件だと思う.
