三つ子の魂百まで.いろいろな有能な方の話を聞いていると,どうも子どもの時代から興味や行動に特徴があり,そのまま大人になって大成したという場合がほとんどだということを知る.子どもの頃から関心が強いことは生涯にわたって好きであり続けることが多く,どんなに苦労や研鑽を重ねても厭わない.好きなことを見つけようとするなら,子どもの時好きだったことや得意だったことを中心に探すと早い.
市井の才能たちが子どもだった頃の関心からほぼ成り立っていると考えると,教育が社会のほぼ全てだと考えたくなる.教育が重要な理由である.教育とは物事に関心を持ってもらい将来深めるきっかけにしてもらうことだとある教育者は言っている.天体が好きなら理論物理学に敷居なく参加し学んでいけるし,歌が好きなら合唱もオペラもさらには楽理だってすんなりと身につけてしまえるだろう.
では,私の関心はどこにあるのだろう.文字や数字を覚えて使うこと,計算,絵など何か作ることも好きだった.そこから派生し,折紙など幾何学的なこと,データベースの管理,文章の制作,そして哲学や数学や物理学の読書が好きになった.強みはどこにあるか,比べる対象によるので一言では表せないが,造形,計算,思考を巡る動機付けは強く,そのあたりを強みとした今の職は適切な選択だった.
造形,計算,思考.この3つを掛け合わせれば,人より擢んでることが容易くできる.大学で学んだ図書館情報学と大学院で専攻した生物分子科学の知識のおかげでできるようになった科学論文の読解と紹介も加わる.自分にできることはできるだけ行い,できないことはしない.そう決めることで,ストレスなく自分の強みが伸ばせる.できないことはしないと決めても誰からも文句は言われまい.自分の今後を図る物差しを得た.
