今年は資産1千万円を達成した年であった.と言ってもものの3日間だけであり,今では800万円台を推移するほどになった.でも,達成して見晴らしを味わった.確かに4桁万円の資産を保有するのには余裕を感じた.岬に立って四方を眺める感じ.そして重要なのが,下を見ると断崖だということ.すぐに無くなりうるお金である.頑丈に見えるこの資産も,使いようによってはゼロに戻ることも充分ありうる.
しかし,私は別の感情も覚えた.それはお金を増やすことに興味を失ったことだ.急に増やすことがつまらなくなった.調べて投資すれば増えることがわかったので,いつどの株式を買えば良いか大体わかってきた.そしてそれを計画立てて実行すれば増えることもわかっている.つまりお金を増やすことが難しくなくなった.そうなると,今までこつこつ貯めてきた実践があまり意味のないものに感じられて,鼻白んだのだ.
なぜなら,月収くらいの額が一晩で上下するようになったのだ.もしお金のために働いているなら,働く動機を失う.お金のために働くなら,株式を売買したほうがいい.でも,元々私はお金のために今の仕事をしていない.そして,お金ではないことに動機を得ている.そのことを確認できた.今では月収なんて少ない確実収入に過ぎない.給与は財産形成上重要な役割を演じてはいない.気づいたら振り込まれているおまけである.
来年は1千万円を維持する目標を持つ.その一方でお金を使っていこうとも思う.買うのではなく,払うべきところにきちんと払っていく.例えば,教会献金や募金や寄付である.もうこれ以上ファッションや本を買うべきではないし,不要なガジェットは売った方が良い.書斎から物を減らした方が良いし,情報をもっと組織化し整理した方が良い.お金を使えないで貯まってしまう年になりそうだが,1千万円を確実に持つのも良い.
