デジタルサイネージの芽をもつ企業に投資している.デジタルサイネージの未来をしばしば想像する.ある街に1万軒の商店があるとする.1万軒の看板がすべてデジタルサイネージへ衣替えするなら,1枚5万円程度で販売しても,5億円以上の売上になる.それだけのインパクトがある商材だと思う.
新卒で入った会社も,グループにデジタルサイネージや3Dプリンタを販売する面白そうな企業を抱えていた.実は今でも生活環境の条件が適えば入社して営業や企画をやりたいほどだ.しかしながらそれは叶わない.けれども,デジタルサイネージを普及させたい気持ちから投資している.
たとえば,画像が映れるペラペラのディスプレイを販売するだけでも,売れると思う.商談や契約時の地図や契約書,いわゆるペーパーレスの文脈である.ペンで図が書ければ,現行のタブレット端末にとって代わっていける.しかし,デジタルサイネージはそこだけにとどまらない.店内の雰囲気を決定づける照明器具として,ラミネートして窓に貼っているお知らせや広告の代わりとして,内容が随時変わる町内掲示板や電信柱の広告や標識として,多用途である.映す内容はPCに接続してPCからデジタルサイネージ本体内のメモリに記憶させ,本体は記憶したコンテンツを決まった時刻に決まった光量で表示するのだ.PCに接続すれば内容が書き換えられる機能は,テレビゲームのように外部出力ができるメディアとして親しまれるに違いない.
つまり,PCから送ったデータを愚直に表示し続ける薄いディスプレイが,いまとてもほしいのである.それを開発して製造して販売してほしいがために投資しているのである.そして,その製品は仕様を変えながら,現行端末のラインナップに加わり,IoTの普及に一役買い,延いてはロングセラーになっていくと,信じているのだ.
