無駄遣いをやっている．暗号資産を意味もなくスワップし，ガス代を払う．洋服を意味もなく注文し，クレジットで支払う．健康食品を意味もなく買い置きし，毎月数千円を費う．目的があって使っているので無駄とはいえない．けれど，削減しようとすれば払わずに済んだお金が，最近とても多いと感じる．もうお金を使うことに罪悪感を抱いていた頃には戻れない．これが生活水準の上昇ということだろう．
毎日数千円使っている．生活費は月15万円に膨れる．ただしこれには家賃が含まれていない．最もお金のかかる家賃を込みにすれば，20万円を超える．手取りから募金献金を差し引いた額に等しくなる．つまり，今の暮らしは黒字にならない．それなのに，無駄遣いを止めようとしない自分がいる．必要もないほど物を買い，何かの経験の足しになるとは思うが何の経験になるかわからないままお金を払っている．
私がお金を払うことが最大の経済貢献なので，払うこと自体には意味がある．経済を大きく回しているから．そして，年金を貰える前提に立てば，老後の暮らしが苦しくなることはない．今の調子が続けば死んでもお金には困らない．投資も全額が余裕資金である．生涯の金銭的ゆとりが見えたので，お金を滔々と使うようになっている．買った物はきちんと管理し，必要な時に使っているので，本当の無駄ではないけど．
つまり私は今，無駄を味わっている．無駄こそ人生の豊かさだという考えもあるくらい，無駄は余興である．無駄に使えることこそ人生が豊かである証拠である．無駄も悪くない．こうして正当化しようとしている自分がいるが，無駄と半分わかっているからこそ，無駄を大事にする心根が育まれ，この後の人生をより豊かにするかもれない．そのきっかけがこの無駄遣いだと思えば，無駄も大事だと思える．無駄の味である．
