仕事は面白くない.そう考える人が世の中の9割以上を占めている.私も,仕事は面白くないと思う.面白いと思う人は,仕事を自分の思うように進められる立場にいる人,すなわち会社のピラミッド組織のトップに立つ人たちだけだろうと思う.現に,仕事を楽しめと指南する人たちは,経営者かフリーランスである.一企業の平社員である私は,当然,仕事を面白いと感じられるはずもない.でも,私の仕事には,小さな楽しみがある.
その小さな個人的な楽しみとは,キーボードとディスプレイに映る文字である.キーを叩くとディスプレイに文字が現れる.この現代人なら誰でも毎日数万回は見ているこの行為,この現象自体に,私は楽しみを覚えるのだ.とても変態な話かもしれないけど,私は文字が好きで,その文字を簡単に並べたり削除したり変換したり,できることが,奇跡的で興味が尽きず,とにかく快感,とにかく好きなのだ.
この部録が続いているのも,同じ理由である.自分で好きなように文字を並べ,自分の考えを書き連ね,それをいつでも確認可能にしておく.この文字列の保存こそ,この部録の目的である.また,仕事になっているウェブというのも決まったルールに従って文字を好きなように書き並べ,自分で画面や動きを付けていく,そういう仕事であり,興味が尽きない.好奇心はむしろ日々増幅していく.この仕事なら生涯続けられる.
仕事にどんな小さなことでもいいから楽しめることを見つければ,面白くないはずの仕事も少しは楽しめて,働き続けることができるだろう.それはどんな人でも多少はそうだろう.私も例外ではないけど,私と同じところに楽しみを感じる人がどれほどいるか私は知りたいと密かに思う.毎日何万回も繰り返す打鍵と表示を楽しみとできるなら,どんな事務仕事であっても楽しめるだろう.そんな自信がついている.
