私がなぜプログラマをやっているか.文字が好きだからだ.そして,その程度が激しいからである.普通の人と比べ尋常でないほど文字に接してきた時間が長い.書く,読む,暗誦する.記憶する,思い浮かべる,作り出す.私の文字に関する欲求と愛情は,一般の人と一桁以上違うと思う.だから私は比較優位の法則で仕事にあぶれないし,どこでも続けられるだろうし,もちろん精神を壊したりもしない.まぁ薄給ではあるけど.
ウェブプログラマの職能とは,論理的思考と仕様の理解度だと言われる.つまり,何を作るかよくわかっていて,どうやって作るかすぐにわかることだという.何を,どうやって.それでいて,どこででも誰とでも作れる才能もあるといい.しかし今は,いつでも作れる,なぜ作るか,の2つは応えなくて良いらしい.残業せず定時で上がるべきだし,仕様書の通りに作るのがプログラマの立場だという見方だ.
私は職場での立ち位置が定まってはきた.多分私は今後デザインを任されない.下請けのプログラマのように,上司のデザイン案をその通りに実装する仕事が増えるだろう.それはそれで私は受ける.なにしろ文字が打てるだけで楽しめるからだ.これは強い性質である.どんなにつまらないデザインであろうと,私はエディタに文字が書けるだけで,そして書いた文字列が画面になることで,強烈な快楽を得られるのだから.
こんなわけで私はこのウェブプログラマという職業を,生涯かけて追求する職と決めている.いわゆる天職である.これなら続けられると考えやすいし,私以上の水準でできる人がそう多くないので,仕事に困る状況も考えにくい.明日からまた仕事である.上司と職務範囲について詰めるのと,年度末にかけての開発課題がたくさん渡される打ち合わせが予定される.かなりきついかもしれないが,文字が打てるので乗り切れる.
