考える人が勝つ.いったいどんな思考であろうと,どんな立場や熱意の持ち主であろうと.考えることは人間に与えられた無償の創造機関である.思考こそ世界を管理する.だから考えることを諦めてはならない.立ち止まったとしてもそこで佇んではならない.思考する能力は仕事の出来を決め,友人関係の持続に資する.おまけに財産の多寡や人間的価値も高めてくれる.この社会において,思考は重要なのだ.
受け流したり本気で捉えなかったり少し引いて冷静に見たり.態度はさまざま.他所様の思考に従う人もいれば,反発反論して抗う人もいる.受け止めて自分の思考に役立てる賢い人もいる.常識が守ってくれる世界もあれば,常識を創造する仕事もあり,固定である属性は少ないようでもあり,実は古代からほとんど変わってないようにも思える.思考をぐるぐる回して疲れてしまえば,話して気が楽になることもある.
一体,人はなぜ思考するのだろう.自分の価値を上げるために思考するわけではないだろう.仕事していてもものを考えてしまうし,寝る前にふと思いつくこともある.思考とは神さまが与えようとしている言葉だから,吸う息のように舞い降りる無意識の作用であるとも思える.自分の思考,自力で考えた思考という逞しいものだけでなく,自分を生かす頓智を自分で気づいて利用することもある.
私は考える方の人だと思う.でも,私が考えることを誰かも考えているという保証はない.むしろ私は誰も考えてこなかったようなことを考えてしまっていると自覚の方が強い.私の考えは誰にも理解されない.誰かがこの部録を読んだとして,私もそう思っていました!とコメントがもし届いたら,私は感情で変わるだろう.私の思考には普遍性が不足していると思うからこそ,私は考え続けてしまうのかもしれない.
