難題を見つけた.今の仕事でもっと幸せになるにはという命題である.まだこれから30年あまり労働人生が待っているが,今の状態ではとても勤まらない気がするのだ.上司の指示と小言を受け,耐えて技術を提供しているのに,さらに指示と小言がエスカレートする.どこまで行ってもそれが続く.原因は私の怠慢でありこれから磨くべき技術が見えてきたとも取れるが,そう簡単に,物事,運ぶものか.
今の職場が恵まれていることは承知している.仕事が軽い上に給与も平均的で,勤続していれば一定額が毎月振り込まれる,都合のいい会社だ.その分,私も都合の良い人材にならなくてはいけなくて,お願いは聞いて回るし思いつきの指示に従い手足となってサポートしなければならない.もしそれを断れば足が切れるだろう.私は恐ろしくて上司に反旗を翻す勇気はない.指示に対するコメントさえ恐れ多くてできない.
今の状態が変わらないとすれば,それはそれで良い.今の幸福が続くだけだ.仕事に打ち込む気持ちは消え果て,人生の残りをひたすら趣味に生きればいいのだ.それを選択できる環境が整っているので,そうすれば良いだけだ.しかし,そうして生きても,まだ30年間の労働人生が残されている.趣味に生きる会社員をあと30年間も続けなくてはならないのだ.これは社会にも申し訳なくこれで良いのか揺れてしまう.
この心の動揺をおさめるには日頃から心への配慮が大切だとセネカも書いている.揺れ動かない時代は長く続かない.牧師は言う,人生は思い悩んだ方があとで楽しめる.私は今もっと思い悩むべきなのかもしれない.せっかくの問題を見つけたのだから,もっと人生を吟味して生きる方が良いのかもしれない.どの道イエスキリストが共にいるのだから絶対的な失敗はないけど,もう少し踠いてみてもいいのかもしれない.
