今の職場を移ることを考えがちだ.今まで状況が難しくなると逃げ出してきたせいで,環境を変えることを考えがちだ.そうやって生きてきた.しかし,もうそうしてはいられないとも思える.転職がうまくいくとも思われない.今よりも良い条件の職に就ける保証はどこにもない.だから今この職場に居座る権利があるのだからそれを行使せずにはおれない.簡単にいえば,今の状況に耐えればいい,ただそれだけだ.
環境を変えて後悔がないのは,変えない選択を取った場合を経験していないからだ.せっかくの与えられた環境に居座り続けていれば,今とは異なる人生になっていたかもしれない.今より良いとも思われないが,少なくとももう少し苦労しなくて済んだかもしれない.でもそんなことは人間の理性にわかるものではない.環境を変えないよう努力して報われた経験が乏しいから,また逃げようなんて思うのだろう.
そう考えて,今の職場で勤続する選択を取るのだが,この選択を取り続ける根気と根性を育てなければならない.私に足りないのは,理性的な理由ではなくて,精神論ではないか.もっと理由なく続けていて良いのだとか,無理に私の首を切りたい人は周りにいないのだから,勤め続けて良いのだと,自分をもっと宥めて良いのではと思えてくる.こうした知恵をもっと育めば,今の環境であっても豊かになれる気がする.
今は我慢する時.耐え忍ぶ時.私は今の職場で働いて良いのだ.周りに迷惑がかかっていようがいまいが,私は雇用契約を結んでいる限り法的に雇われるし,誰かの一声で首になるような動きはまだない.そんな組織でもないだろう.きょうも勤務が終わった.明日は明日始まる.きょうのこの思い悩みがいずれ大きな実りをもたらすと信じている.少しくらい困っていられるほど,今の私には余裕があるのだから.
