大学時代,将来の暮らしについてこんなふうに考えていた.街のカフェで論文を読むアマチュア数理物理研究者.この夢は叶った.カフェには30歳を過ぎるとあまり行かなくなったが,arXiv.orgやNature誌の論文を読んで数学を研究した時期があった.今ではこの夢にこだわらなくなったけど,職業の傍ら活動するというスタンスは確立し,その活動を職業にする気は今もまったくない.
今の私の職業は,収入の多いものではない.でも今までで最も高く,かつ簡単な仕事なので,自分に向いていると思う.いい職業に就いたと思う.今なら街のカフェでiPadに入れた論文を読むことが簡単にできる.ラテマネーを恐れるので実行はしないけど,今住んでいるのはお洒落な街であり,カフェは高密度で点在していて,ずっとここに住み続けたいと思うほど.暮らしの満足度はとても高い.
最近どうも悩んでしまうのは,自己評価が低いことである.上司から頭痛の種であると言われて以来,自分の能力を疑い出し苦しんでいる.月収18万円くらいのところなら知っているので転職しようかとも思っている.でも迷惑をかけていても続けてみようとも思う.誰も私の首を切る権限は今のところないのだし,上司が困っていたって部下なので構わない.出世コースにはいないのだから自由にやって良いのだ.
金銭面でも心配は少しある.総資産は少なくないが別に多いわけでもない.相対的に見れば世の平均くらいである.それで良いという気がする,でも確信できない.もう少しあったほうが良いのではと.でも,それは節目の歳で目標値を決めれば済む話だ.40歳で500万円,47歳で1,000万円,54歳で1,500万円,61歳で2,000万円.このくらいが妥当だろうか.1年間で70万円増えれば良い.そのくらいのこと.
