減薬が叶ってから,体調が良い.今年5月の黄金週間明けから主治医が変わり,減薬を相談したら,希望通り実施していただけた.診療は2回あったが,それぞれで段階的に減らしたため,体調は急に変わらず,徐々に変化はあるものの,それは大変安定し落ち着いた変化だった.この安定的変化の理由には,信仰と祈りの会への参加,生涯の資産見通しの確立など,他にもありそうだが,やはり減薬が最も目立つ変化だと思う.
私は18歳の3月から薬を服んできた.なので,人生の半分は服薬治療を経験している.そのおかげで,普通の人生から遠のいた時間を過ごしてきた.まず勉強ができなくなった.ものを覚えられないのである.そして,副作用で舌が縺れるので思うように喋れない.さらに,食事を快楽に感じると太りやすくなってしまう.この薬はドーパミンを抑えるので,何か楽しみを持っていないと,食事に逃げて簡単に太るのである.
そんなこの18年余りと減薬後の2ヶ月を比べてみると,格段に違うのが,人間的成長と知識定着と思考範囲の精緻化,つまり精神面での急激な成長である.いや,成長ではなくて解放や回復といった方が適切である.私を縛り付けていたのは症状以上に服用していた薬そのものだった.新しい主治医は,症状が出なければ減薬できると考えていて,生活習慣を確立していれば心配は少ないと診察する素晴らしい見識の持ち主だ.
ここまで回復できたのは妻のおかげが大きい.先日の旅行帰りにプレゼントを贈って感謝した.また,教会の人々の温かさや丁寧さによるところも大きい.教会にもお土産を買って感謝した.そして,前向きで理解のある両親の存在.幸運であるし,神の恵である.次の月曜に6週間ぶりの診察がある.症状が消えているので,さらなる減薬が叶うかもしれない.私はやっと解放される.失った18年間を取り戻せるだろう.
