私は大学院で理学の修士号をとっている.学部で遺伝情報の解析をプログラムで行い,院で有機合成化学を修め,いずれも生命科学の領域で研究を行った.職業選択の際,化学系にも生命科学系にも職を得られず,今は通信系の研究所のWEB担当として働いている.なので,直接は活かされなかったことになるが,理学の基礎知識が私生活で大いに役立っていることを記しておきたい.学費分の見返りが得られているのだ.
私が生命科学に関心を抱いた理由は,ひとつにまず生命科学の教授陣が健康そうでスタイルも良く,肌艶や髪の質なども良く見えたことだ.生命科学の最新の知識を私生活に応用していたのだろう.ふたつめは,大学が実家の近所にあったことだ.市内にキャンパスが3つある文教都市に住んでいたのだ.最後に,科学を修めたかったことである.父に常々言っていた.学部進学が叶わなかった理学,そこへ強い関心があった.
学んだおかげで,好奇心を増幅でき,科学をいくら勉強しても好きな気持ちが続くようになった.健康関連の動画を見ても深く理解できるようになった.食材を自分が食べるためにも人に贈るためにも選べるし,その知識を人に教えられる.おまけに,食生活を改革しているうちに持病の薬も半分以下になった.学術雑誌を今も購読しているが,載っている情報を理解でき自由に思考できるので,鵜呑みにしなくて済む.
大学が国立で,大学院は私立だが学費は国立より安い.とはいえ7年間で数百万円にのぼる.そんな高額な学費を納めてくれた父.働きたくて大学に行くつもりがなかった私の代わりに大学を調べて勧めてくれた父.今では高卒で働かずに院まで出ておいて心から良かったと思える.大学は費用対効果が抜群.後悔のない私の人生の半分以上は父が考えてくれたものだ.父のもとに生まれて幸運だったと思う.
