はっとしたこと.人間が一緒に何かやるときは,ルールがいる.共通の理解がいる.そうでないと,人間は自分に好きなように考えて動いてしまう.だから,複数の人が協力して何かやるには,何か言葉を通した規則がいるのだ.これを私は日常においても仕事においても踏まえていなかった.誰もが自分の好きなようにやりたいと思っている.できれば何にも従わず好きなようにやりたい.でも,共に何かするときは.
というのは,今日も合唱団の練習があった.毎回監督が指導している.彼は一流の人物だが,彼でさえ合唱の時はルールの重要性をわかりやすく教える.誰かひとりでもルールを踏まえない人がいたら,目立つうえに,全体を壊す.百人いる大所帯であっても,ひとりがルールに従わないだけで,全体が壊れるのである.聴衆はよく聴いているし,よく見ている.ひとりでも手を抜くと,聴衆の誰もが気づく.
作曲家はすごいと思う.全体の響きを考えているが,一音一音を各パートに振り,その和音を美しく響かせる.それを歌うには,作曲家の書いたルールに従うが,それを指導する方も考えるし,歌う方もよく聴いて理解しなければ歌えない.特に歌い手は,ひとりで歌うのではなしに,互いの声の響きを聴き合って和音で音を取るから,全体で歌う時のルールを理解しないと,遅れたりで合わなかったりで合唱にならない.
私は反省した.仕事でも協力が必要な時,ルールを踏まえてきただろうか.社会人のマナーや社会の常識を踏まえて対してきただろうか.そうしてこなかった事例の方が多く思い浮かぶ.職場の人たちに迷惑をかけてきた自覚はあったが,その原因を「共通のルール」に求めても妥当である.よく考えたら私も協力する場面が多くある.これからは人間の自由より共通理解に重きを置いた方が良い場面は多くありそうだ.
