シューベルト「冬の旅」を聴けている.長らく時間が取れないことを言い訳に遠ざかっていた歌.合唱団の先達にCDと楽譜を頂いた上,解説本を拝借して,もう半年は経過する.いざ思い切って聴いてみると,美しく印象的な旋律が詰め合わされていて,記憶に残るものもいくつもある.でも,どうしても後半から飽きてしまう.知識や経験がないからだと思う.歌ったこともまだない.楽譜も満足に読めないままだ.
コールユーブンゲンを取り組んでそろそろ1年になる.でもまだ4分の1,16ページ目までしか進められていない.音符を見て正しい音程を出すことができない.耳で聴いて覚えてきたので,楽譜だけ見て歌うことが,全くできない.これをできるようにするには相当の努力がいるだろう.コールユーブンゲンにそれを求めているので,なかなか進まないのだ.これを目標にしなければ,やる意味がわからないとの思いもある.
思うに,合唱人口は減る一方で,高齢化も進んでいるように思う.若い人で例えばフィッシャー・ディースカウを好んで聴いている人がどれほどいるか.門外漢だった私が,1から合唱を学んでいることが,無駄ではないと感じるのが,この若い人の声楽離れだ.歌う人だって多くないのに,シューベルトを暗譜する人が果たしてたくさんいるだろうか.そういうわけで,私の努力は狭き門だという意識があり続いている.
WEB開発,数学,教会礼拝,そして合唱.世の中でやっている人が少ない分野をいくつも掛け合わせてやっている.世間でそんな人,いないと思う.そういう意味で,今から始めても無駄ではないことを知っている.少しでも世代間の継承ができればとの思いもある.文化は継承しなければ弱くなり絶滅する.私がその弱体化を食い止めるのに役立てば,それだけで努めてやっている意味があるというものである.
