波乱の余生より,平坦な未来が望ましい.そのためには,坦々とした生活を送る努力が必要だ.加齢によって変化していく私の身体と生活である.これから中年の盛りになり,それが過ぎると更年期を経て,白髪と老化が待っている.その頃には社会的な位置もいろいろな団体の中で確定していて,人間関係も年上の方々より若い人も多くなる.そうなれば孤独を耐える,或いは味わう時間が増えてくるだろう.
あまり先のことを案じてもひっくり返るかもしれないが,生物的に確定した未来は予見しておきたい.もしかすると今の薬が不要になるかもしれないし,或いはうつに陥らないとも限らない.こうした環境条件に左右される病に対しても,可能性を捉えておければ過度に落ち込まずに済むだろう.妻が事故に遭ったり病にかかり状態が悪化する可能性もなくはない.私の将来はまだ長いはずだから,充分考えうる.
そうした将来を案じられるようになってきたことがまず私の加齢による成長である.ここは自分を誉めてみたい.そうした一段高い見方から,今の関係を見てみると,見本に囲まれていることがわかる.職場や市民団体,教会にいて,学ぶことは多いのだし,それは私が亡くなるまで続く.恵まれたことだ.私は先を切り拓く上で,一人で考えこまずに済む.周囲にいる先達から学べるし,何より神さまが共にいる.
今までの私の努力の結果のひとつは,この豊かな関係である.この新しい街でよくぞここまで構築できたものだ.これも自分を褒めたい.神さまの導きに従って良かったと思う.これからは強い刺激や目まぐるしい変更は減らす生活に移っていき,例えば目の前にある英文誌の記事を毎日坦々と読んで英語力を育むような,自分の道を自分の方法で少しずつ進んでいくことこそ,私の残りの人生なのだという気がする.
