私は今職場で障がい者として働いている.一応職員はみな差別しない人なので平和にやっている.でも,普段自分がいかに集団組織からずれているかを意識することが増えてきた.それをいつも障がいのせいだと結論づけて他の可能性を考えてこなかった.そう,私は男性であり,若い世代であり,大学院卒であり理系であり,ウェブに詳しい人材であり静かな人間であり,物を作る人でもある.などなど.
なので,自分が組織から浮いていると感じられる時,その理由は障がい者であるためばかりでもない.自分が話が通じなかったり理解されていなかったりした時も,障がいのせいで通じなかったばかりでもない.世代や性別や学歴や知識量や専門や趣味や嗜好や性格のためでもあるのだ.もっと自分を他人を広い視野で捉えて働いてみていいのだと思うようになった.人はみな違う.その違いをよく捉えたい.
例えば世代が違うだけで,受けた教育や学生生活も異なってくる.それらは出身地による差もある.育ってきた環境が違うなら,両親の育て方も全然違うだろうし,両親のどちらかがほとんどいなかった人もある.両親の仕事上の都合で家にいなかったり,両親が育ってきた時代背景もあるから,感性や感覚的判断力も違いが出るだろう.もちろん,このような多数の要因によって価値観は全然異なってくる.
そういった全然異なる人間の一面を自分の都合で変えようするのは不可能だし,自分が指示命令に従って無理に変わろうとする必要もない.自分は別に自分でいいし,自分の中に変えたいところが出てくれば変えればいい.その辺りの事情は本当は自由だ.誰かを強制することはできないし,強制される筋合いはどこにもない.この自由を踏まえて仕事や生活に面すれば,それほどストレスはかからないはず.
