きょうここで宣言してしまおう.私は数学が好きだ,愛している.これから死ぬまで愛し続ける.これは別に家族や両親や知人や教会を愛さないという意味でない.彼らももちろん愛する.これは,数学を趣味として生涯愛し続けることを宣言するものである.きょう行列と微分法と集合論理の復習を終え,簡単な内容だったが,やはり好きだという気持ちがわき続けた.数学を愛好する理由を以下に述べる.
まず,問題を多く解くことが楽しい.たくさん解けると楽しい.簡単な問題は飽きてしまうが,徐々に難しい問題に接し,解法を捻り出し,解答に照合して破綻を見つけることは勉強になるし,別解に出合った時は視野が広がった気がする.そして,さらに大きな満足を得られることは,問題を見つけることだ.自分で問題を設定することだ.いい問題を見つけた時は喜びだ.それを解決した時は最大の幸福だ.
この数学活動をサイクルで回すことを趣味にする,その決意を固めた.学生時代は数学に理解のある人が周りにほぼいなかった.社会人になってもほぼそうだった.ではなぜ決意できたかといえば,自分の数学への愛の示し方が薄いと気づいたからだ.周りに誰か自分と似た人がいたら好きになる,誰かがやっているから私もやる.それでは軽薄なのだった.ただ自分が好きだから自分でやる,それこそ愛だ.
趣味とは好きなことを自分一人で楽しむ時間だ.人に口外できないようなことをする行為だ.私が好きならそれ以上の理由はない.私は数学が好きだ,だから数学を楽しむ.それだけ.このシンプルな動機こそ,私の真に求めていた自由だった.ここさえ確実なものにしてしまえば,あとは毎日少しずつ楽しむだけ,単純なものだ.私はここに達するまで取り越し苦労したと思うと愚かしいが,それでも良いのだ.
