資産を築こうとする目的を考えた.私は楽観的な人間だし,お金がなくても何とかなると思っている人間で,資産を築いて安心したいというわけではない.ではなぜお金を持とうと思うのか.多分,人に自慢するためだ.見栄である.資産を大きく築いても,使いきれないお金を持って死ぬことになる.きっとそうなる.つまらない動機のために時間を費やしお金を増やそうとしている自分はどうやら愚行をしている.
この冬一度も暖房を使っていないが,着こんで暮らすのは地球環境のためである.人への贈り物や募金献金を収入の3割くらいしているが,自分のために使うより幸せになりたいからだ.自分のために使いたくない心根が沁みついていて,お小遣いは月3万円もあれば余らせ繰り越せる.買う物も選ぶようになった.必要な物を想像し,それに一致する物を探すようになった.それ以外の動機で買うことはなくなった.
しかし,資産を多く持とうと考えてしまうのは,何によるのか.時代に流されている気がする.心の余裕を持ちたいとかインデックス投資の恩恵を受けてみたいとか,そういう好奇心は確かにある.だから,何かを買うためにとか将来のためにとかではない.好奇心とそれを達成したことを誇るために過ぎない.私はそれを達成していないが,そんな虚しい目的のために資産を作るのは行為として無駄な気がすごくする.
なので,お金を使う機会があれば別に使っている.安く買おうとはするし,不要な物は買わないようにしているし,無駄な買い物はしたくないと考えている.でも,誰かのために使う機会が来れば,その時は積極的に使っている.資産が増える速度は緩慢だ.増えても月に数万円.でも少なくとも減ってはいない.少し余らせるくらいで運用している.今はお金に執着はない.大きな資産を持つことへの憧れが薄らいでいる.
