仕事よりも豊かな老後を優先したい.最近考えることである.仕事を充実させたいという思いがなくなってきている.仕事に求めていたことを早くも達成してしまい,満足している.その上で,新たに目標を立てるより,豊かな老後を迎えるほうを優先しようと考えた.これ以上自分の能力を社会で役立てたいとか,組織で貢献しようと思うのではなく,老後を自由に思うように過ごしたいと考えるようになったのだ.
職場で自分の能力が発揮できなくても,たとえ仕事の進み方が遅くて待ち時間が長い時であっても,収入が低く止まっていても,こうした仕事の不甲斐なさは私の人生の優先度が低い問題だから,重要と見ない.私は現役時代の仕事より,老後の自由を優先したい.だから,就職氷河期を経験して頑張っている世代のように,仕事に人生を捧げるような真似はしない.仕事は人生の最優先事項ではないからだ.
老後の自由のために,2千万円の資産と趣味のための教養を,現役時代から少しずつ蓄えておきたいと思う.老後に楽しめる趣味は今持っている趣味の延長にあると考えて充分だろう.健康もお金も今の延長である.私の現役時代はそれらを少しずつ貯めておく時期であり,人生の最盛期ではない.最盛期は老後にやってくる.私は人生の転換点を割と早く経験した人間だ.現役時代に不利を被ったことも影響している.
結局,人生は最期までわからない.終わり良ければ全て良し.そう若い時によく悟ったものだから,私の後二十数年間の現役時代は大して振るわなくたっていい.その時期にこつこつと蓄えていったものを,老後十二分に活用し,謳歌するのだ.私の人生設計は常識と少しずれている.しかし,私に適合するのはこの設計である.現役より老後.今は非常識かもしれないが,いずれそれが恩恵に変わるだろうと信じている.
