私は26歳で社会人となり,1年後退職しアルバイトになり,それから31歳まで月収1桁万円だった.なので,今37歳だが,手取り20万円以上の暮らしが始まってまだ5年も経っていない.普通の基準と比較すると,なかなか恵まれなかった半生である.しかし,欲しい物は大体買い揃えてしまったし,アルバイト時代の節約生活がデフォルトになったので支出が今でも少ない.なので,毎月半分くらいお金が余る.
欲しい物や必要になった物はすぐに買ってきた.多くは本か服かPC関連である.また,教会や慈善団体への募金献金もアルバイト時代から続けている.つまり,私はもうあまりお金を使いたい欲がなく,自分のために使わなくても満足していて,もう今以上に出世昇進したりもっと働いたりしなくていい人生になった.生涯賃金は平均よりも少なく収まってしまいそうだが,満足度はかなり高いと自負できる.
物を買いたいという気持ちが強くない.なぜ買いたいと思うのかさえよく分かっていない気もする.これから収入はあまり上がらないと思われる.中途採用であり出世コースに乗ってはいないからだ.でも,今の収入くらいあれば,あるいは少し下がったとしても,幸せに満足して生きていける自信がある.趣味や妻の存在や信仰が大きいと思う.私にとってお金は身近ではない.お金から離れられればその方がいいと思う.
以前の私が欲しがった物や必要な物は,ずっと長く使える物だった.内容が定まった本,長く読み継がれてきた文庫,ベーシックだがおしゃれな服.無駄な物はすでに手放した.もっと減らしたいという欲は小さくなったが,まだまだ手放したいといつも思っている.買いたいと思うことがほとんどなくなった.このような暮らしを学生時代から望んでいて,それが実現したので幸せだという側面もある.
