米国株式で500万円を失っている.評価額が2年前から500万円下がって今も回復しない.しかし,失って良い面がある.数万円,数十万円のお金が大きいと思わないのだ.今持っている米国株式は変動幅が大きく,毎日数十万円値が動く.そのこともあり,数十万円ならすぐに増減すると認識できるようになった.節約はしている.ものは安く買い,無駄な物を買わなくなり,自分以上に人に与えられるようになった.
真っ当な金銭感覚は人生で大切なことのうちのひとつだ.借金しないとか,射倖心を煽られないとか,大金に目を眩ませないことは,この社会で人生を破滅させないための防御策だ.物を減らし,足るを知り,無駄に得ない.お金は使わない,これを実践できるだけで,人生は過ごしやすく簡単になり,満足と幸せが継続して得られる.お金を使うから人生を苦しんでしまうのだとさえ思う.お金は使わなければいいのだ.
こだわらないことは,色々な宗教で幸福の要素として語られている.お金を多く持つことにこだわらなくなり,お金を使わないことにもこだわらなくなれば,お金から解放される.人生をお金から解放することは,自分の人生を制限から解放し,自由を得る.人生はお金より自由が大事だ.お金は大事だ,お金で自由は買える.しかし,お金は自由によって得られない,次元が違うものだ.自由の方が価値が高い.
お金は自由になるための手段である.自由だからといってお金は得られないが,お金は自由になるために得るのだから,本末転倒してはならない.もしお金と自由のどちらかしか手に入らないとすれば,自由を選ぶ.お金とは本質的にそのくらいのものだ.これらの真理を私は500万円の評価損で得た.500万円は安いとさえ思う.お金から解放された人生を,私は500万円で買った.人生に隠れて真理が売られていたのだ.
