私は現在年収200万円程度の30代である.幸い結婚しており,クリスチャンである.生活費のうち妻が住居費を払う,その代わりそれ以外は私が負担している.200万円のうち,定常的な生活費は高々半分であるため,残りの100万円は教会への献金,開発途上国への募金,親孝行のための投資に使っている.年収200万円でも年間100万円は優に貯まる.
高校を卒業したころ,自分はそれほどお金を使わない人生を歩むことが分かった.研究したい主題は数学や理学で,紙とペンのほか思考時間を必要とする.高校3年で哲学と芸術を修め,感性や発想には自信がついた,言語と思考の生活ができればお金は貯まる.大学でWebと図書館を専攻した理由である.この計画は功を奏し,研究主題をいくつも見つけたうえに開発を職としたものだから,生活時間がすべて活きている.
貯まるなら労働時間も削ってしまえと思い切った最近である.高々数百万円のために残業するより,時短にしてしまえば,暇を買ったことになる.高価な買い物である.私は思考に価値を置いているので,研究所や大学に所属する研究者よりも暇をもっていると思う.最近は研究仲間と疎遠になるも,ひとりで研究を進める術が身についたので,私の近傍はどこよりも自由に時間が流れている.
お金が増えても使いたいものが特にない.ちょっと長めの休暇を確保したいくらい.以前の職場で,一年のうちある時期だけ短く働き,夏はバカンスをとるというエンジニアと話した.年中働いてしまうより良いと思う.休日があれば勉強を進め,長い休暇があれば妻と過ごし,冬が来たら研究を始める.研究は冬場に限る.ともあれ,定年まで同じ企業の正社員になることはない.とてもなれないしなりたくない.100万円で1年間を有意義に生活できるのだから.
