周りに多くの高齢者がいる環境にある.色々な生き方を見ている.食べ方,身だしなみ,交友関係の構築方法,贈り物,他生活様式を観察している.10年くらい続けているので,病気になった人やその予備軍,亡くなった人も多く見てきた.私は長く生きようと思っているが,70歳くらいで亡くなりたいという人も何人もいて,考え方はいろいろだなと思う.そういう事情も勘案すると,その人の大事にしているものが見えて面白い.
家族から孤立し明らかに寂しい独居老後を送る人もいた.血栓が飛んで健康体から突然脳梗塞で入院した人もいた.膝が悪くお手洗いに立つ回数を減らすために水を控えたら熱中症様症状に悩む人もいる.私のように生命科学を専攻した人間から見れば,普通に考えて避けるべきと思える境遇に陥っている人が,身の周りの半分くらいはいる.知識を教えるのではもう遅いので,根気強く付き添うしかない.そうして最期を迎える.
牧師が腰を悪くした件も,いずれそうなる自然の理だった.お菓子やアイスなど糖質過多で,質の悪い脂料理を好み,睡眠も不規則な様子.見たところ肥満で,糖尿の薬を服用しており,運動に至っては歩くこともしない.整形外科にかかったそうだが,脊椎の一部がすり減っており,痛み止めを処方されたという.私は絶句した.そうなるに決まっているからだ.舌の好む食事と身体を使わないツケを払っているように見えた.
私の見たところ,病の原因はその人の選んでいる生活にある.どうしようもない外的要因で病気や不自由さに陥った人は少数派だ.生活が大事だとあれほど言われてきたのに,その自分の生活さえ変えようとしなかった人から病にかかって苦しんでいる.その人たちを,周りの健康に生きている人が心配して世話する.不公平だと思う.病にかかった人に優しくするのは違うと思った.少しは自業自得で苦しむべきと思ってしまうのだ.
