哲学の本を読んでいる.軽めの本を今月4冊読んだ.今関心があるのは,新実在論.やはり最新の哲学は視野が新しくて好きだ.実存主義は自己を批判し疑わないので古く,構造主義は20世紀フランスで崩壊完了し,ポストモダンはアメリカのなんでもあり的な現代を作った.今は倫理資本主義の認識を万人が持つべきで,そうすれば持続可能で未来世代にも継承できる産業技術の維持進展を図れる.その思想の一翼を知りたいのだ.
他,クィア,ルッキズム,コミュ障,認知症などの文献をぼちぼち読んでいて,LGBTの文献にも挑戦している.どこに最先端があるかという視点ではなくて,多様主義を徹底した世界をよく知らないので弁えておきたいという動機がある.私自身もノンセクシュアルな気質なので,完全な他人事ではないと感じる.生きやすい世界ってなんだろう,そこにキリスト教がどのように介在できるだろう,その可能性を捉えたいとの思いもある.
21世紀も4分の1が過ぎようとしている.色々な事件が短期間にあり,世界史は確実に動いていた.今という時代の思想の動きには関心があり続けている.特にこの20年余りを総括する哲学者の概括には読み応えを覚える.この20年がどんな時代だったのか,自分でない人が振り返るとどう映るのか,その中で新しい思想からはどう見えるのか,そのあたりに強い関心を持っている.科学技術だけでなく,人文学の視点をもっと知りたい.
これからの時代はもっと生きやすくなる面はあるだろうが,失われることも多いはずだ.消えていくことは静かに徐々に進む.気づかないうちにいつの間にか消えてなくなっている.そういうことをノスタルジックに集めたいのではなくて,消えてしまうものの良さを感覚でいいから覚えておきたい.何か世の流れに乗るだけが幸せではないと感じていて,それを含めて世界を見つめられたら,物の見方に幅が出て豊かになれる気がする.
