この1ヶ月,憂鬱な日が続いている.うつ病ではないと思う.外出頻度が減り,食事の量も減り,書斎に引きこもったりより長く眠ったりして過ごしている.今まで拡散し続けていた意識が消え,落ち着いた慎重な人間に変わってきた気がする.この酷暑の中,脳が冷える感じがして,冷静に生きられるようになってきて,この憂鬱は悪いものではないなと.原因を分析してみたので,9つの生活の変化を要因別に挙げてみた.
1.職場内が変わった
昔の女上司が異動し,残務を引き継がなかったので,今は仕事が中断し,体制立て直しや業務定義が発生した.上長の承認ももちろん必要で,時間がかかり少しずつしか進められない.新しい男性上司もキレてしまうほど眠れない日々を過ごしているそうで,人を疑ってかかるようになったので,ストレスを撒き散らしている.今年度でさらに3名のスタッフが退職することになり,ホワイトだった職場が大きく混乱している.
2.予定が狂い続けた
私はASDすなわち自閉症スペクトラムで,その特性として急な予定変更をストレスとする.外部要因で予定が強制的に変更されると,自分が消失し混乱する.自分の意志,自己意識というか,自分の思いも含め,消えてなくなってしまう.3〜5日間あれば回復することが多いが,尾瀬へのハイキング,濃厚接触による合唱団練習の欠席,教会コンサートの開催採否と立て続けに連続し,麻痺してしまった.今,自分が消えている.
3.外食が続いた
2023年7月は毎週のように外食に呼ばれ,断らなかった.鰻卵重,安い定食屋のメンチカツライス,餃子,スンドゥブ.それぞれ美味いのだが,糖質をはじめ,グルタミン酸ナトリウムなど,何が入っているかわからない.体調を崩してもおかしくない.これだけ外食が続いたことは今までになく,8月から再び食べ物を自分で作り準備する生活で身体を整えたい.外食は月1回程度に抑え,自宅ではいつも回復食を食べたい.
4.ヒュッゲになった
IKEAで2つ目の照明を買い,書斎は全4灯の多灯空間になった,ついでに家で余っていたキャンドルに火を点し,夜を過ごすようになった.照明は全て電球色で,天井灯に調光機能はあるが電球色で使っている.多灯にして,思考は内省的に深まった傾向があるが,憂鬱になったかと言われるとそうである気がする.北欧は昼が短く冬は雪に閉ざされる.その中で編み出された落ち着いた生活のレシピなので,内に篭りやすくなる.
5.買い物を終えた
買うべきものを全て買い終えたと4〜7月の買い物で思った.毎月給与を超える額を投資し,照明や壁掛けや観葉植物や椅子や机やワゴンなど,インテリア類を10点以上買った.総額50万円くらいかけた.おかげで書斎は整い,全ての物が活き,変更したい点もない.8月から10万円も使わないと思われ,消費ががくっと減る予定.消費するものがなくなると,気分が上がらないのも一理ある.買うものがないのも考えものだ.
6.教会から距離をとった
キリスト教に疑問を持った.神道についての私の考えを牧師に会衆の前で糾され,ひどく傷つき,宗教の多様性について考えるようになった.今まで信仰一途だったキリスト教を,相対視するようになった.イエスは敵だ,だから私は愛すのだと気付いた.これは強い信仰であり絶望である.それ以来,イエスや教会に関する考察を続けていて,平日もキリストについて考える人間に変わった.信仰の強度を自分に試している.
7.半生に向き合った
憂鬱が周期的に来るという話を聞いたことがある.その周期は人によって異なるが,その周期で来るという.受けた癒えない傷がそうさせるらしい.私は17歳で人生で初めて憂鬱になり,27歳で2度目の憂鬱を経験した.17歳の時は高校を中退し,27歳の時は無職で教会に通い始めた.いずれも死への憧れがあった.37歳の今,天での生活を思う.早く天へ呼ばれたいと思う.この調子だと47歳で再び憂鬱になる計算になる.
8.減薬して半年経った
持病のASDに対し,薬が処方されている.18歳の時から色々な薬を服用してきた.服用してもうすぐ20年になる.今はこの20年の中で最も処方が少ない.今が最も症状が軽いのだ.今年の1月に1日1錠になってから,今夏は初めての夏になる.この憂鬱は薬を服んでいなかった高校生の頃の憂鬱に近く,薬を除いた自分はこういう状態になるのだろうと思う.これが常態だというわけだ.この憂鬱がデフォルトの自分なのだろう.
9.小さく生きようと思った
自分の好きなように生きてきた.人の話を聞かず.人の話を理解し覚えておく機能が先天的に欠けている私にとって,自分の思うように生きてしまうのは必然で,自分でそれを求めたのではない.そう生きるしかない,この点で選択肢が他にない人生である.それで,もうこれ以上好きなものを開拓できないし,見つけても今以上に豊かにならない.もう満足した.ということで,これからは小さく生きようとサイズダウンを図っている.
